STORY 5-3

技能試験の練習法 3 
重要な「技能試験の概要と注意すべきポイント」

工具と材料も届き、いよいよ練習と思ってた野田くんと三輪さん。でも今日は筆記用具だけでいいと流川さんに呼び出されたんだけど…
まさか、いまさらペーパーテスト?

結構重要な試験センターの公表書類

流川さんもう勘弁してください!学科試験であれだけ苦労したんですから…。
野田さん
はい?何の話ですか?
流川さん
どうせ抜き打ちテストですよね!?学科試験をギリギリで通った自分を試すような!
野田さん
(あ、なるほど。だから今日はやけにおとなしかったんだな〜)
三輪さん
いやいや、いまさら学科試験なんてしませんよ。ぜひ皆さんには、次の技能試験に受かってほしいと…
流川さん
だったらなんで、工具や材料を置いていっていいって言うんですか!もう練習しないと間に合わないでしょ!
野田さん
ああ、そこが心配だったんですね。大丈夫、そのために時間もちゃんと取ってあります。
その練習に入る前に皆さんに渡したいものがあって。はいこれです(ホッチキス止めした紙を配る)。
流川さん
何ですか、これ?
野田さん
「技能試験の概要と注意すべきポイント」?
三輪さん
これは、(一財)電気技術者試験センターが同センターホームページで公表している技能試験のいわば「公式ルールブック」のようなものです。

『技能試験に係る「欠陥の判断基準」』

https://www.shiken.or.jp/candidate/handankizyun.html

技能試験の合否は「電気工事士技能試験欠陥の判断基準」というもので欠陥かどうか判断されるんですけれど、わずか4ページで基準も1行程度しか書かれていません。

それで、その基準を具体的に言うとどうなるのか、この「技能試験の概要と注意すべきポイント」を見ることによって確認できるんです。
流川さん
これ、どうやって使うんですか?
野田さん
まずはちょっとパラパラ見てください。
第3部以降、このあたりにそれぞれ具体的な欠陥が写真や図で説明されています。
このあたりを練習前に一応でいいですので見ておいてください。
流川さん
まだ練習前でピンとこないところもありますけど…。
三輪さん
今はそれで結構です。要は、われわれの作品は試験実施団体はこのようにして評価しているんだなという大枠がなんとなくでいいのでインプットされれば、この時点では、オーケーです。
流川さん

作品の合否判断に本領を発揮する
「技能試験の概要と注意すべきポイント」

練習後にも使うんですか?
野田さん
練習後こそ、使うんです!というのは、技能試験は学科試験と違って、その答えが合っているかどうか、全部自分たちで判断しないといけません。それは私も一緒です。

そして実際の試験本番では、出来上がった作品が合格レベルになっているか、自身で判断しないといけません。試験官以外、他に誰もしてくれませんし、試験官は単に合否判定するだけです。

そうなると、自分の中に合否判定できるようにしないといけません。もちろんテキストなどで、欠陥について解説しているものもありますが、これらの大元はこの「技能試験の概要と注意すべきポイント」なんです。
流川さん
つまり、欠陥の無い作品を作りたければ「技能試験の概要と注意すべきポイント」をよく知っておく必要がある。
三輪さん
そのために試験センターはこれを公表しているんですね。ですので、この「技能試験の概要と注意すべきポイント」を利用しない手はないですね。しかも無料ですし、公式のものです。
流川さん
練習した作品の完成後は、どうやって使うんですか?
野田さん
まず4ページにある欠陥基準で、欠陥がないかを判定します。そして、引っかかる場所ではさらにそれで大丈夫か、「第Ⅲ部.技能試験で押さえておきたいポイント」から具体的に見ていきます。
例えば、被覆の長さなど、どれくらいまで許容されるか具体的な数値が書いてあったりします。それらと作品を照らし合わせるのです。
流川さん
ちなみに欠陥がひとつでもあれば一発アウトで不合格です。それなりに厳しいですよ。
流川さん
もし何も引っかからなかったら、合格と考えればいいんですね。
三輪さん
そのとおりですね。
さらに最後の方には適切な方法も写真で例示されています。これも参考にできますね。
流川さん
なるほど、いやあ、抜き打ちテストと思ったら技能試験の話だけで良かったよ。
野田さん
あ、そういえばそんなこと言ってたね。
三輪さん
次回は技能試験練習のための場所やスケジュールなど、具体的なところを説明しますね。
流川さん