STORY 5-1

技能試験の練習法 1 
はじめに

筆記試験を受けた野田くんと三輪さん、二人ともそこまで落ち込んではいないようだけど、大丈夫だったのかな?

技能試験ってどういう試験?

昨日は試験だったけど、どうだった…?
高坂さん
今回は気合入れなおして勉強したんで!自己採点で70点は突破してました。余裕です。
野田さん
私は自己採点80点を超えてたので大丈夫そうです。
三輪さん
また負けた…。
野田さん
か、勝ち負けとかないから…!受かってればいいんだよ。
高坂さん
くそ〜今回こそはと思ったのに〜!
野田さん
でも、第二種の時より点数上がってるよね。頑張ったね!
三輪さん
まだ合格発表まで間があるけれど、時間がもったいないから、技能試験の練習を始めようか…。

まず、第一種の技能試験を第二種と比較しながら説明するね。
高坂さん
お願いします!
三輪さん
野田さん
第一種技能試験の単位作業は、基本高圧から低圧に降圧して各設備に配線するものを机上で簡易に再現させるものだね。

こんな感じ。
高坂さん
なんか第二種の単位作業と似てますね。
野田さん
でも、左の電源側?見慣れないものがあります。
三輪さん
そうそう…いいところに気づいたね。そこが第一種技能試験の特徴で、高圧ケーブルから変圧器に模した端子台を介して、低圧回路に行くということを示しているんだ。
高坂さん

技能試験の特徴

この、変圧器周りの作業って大変じゃないですか?
野田さん
大変というか、そもそも第二種では高圧ケーブルが出てくる課題が無いからね。それに、変圧器の代用の端子台も第二種では使わない大きさだし…。
高坂さん
あとほかにも第一種ならではの特徴ってありますか?
三輪さん
ほかの問題では、低圧側が制御線のみのものもある。例えばこんな感じ。ほら、VVFをまったく使っていないよね。
高坂さん
え!?それじゃVVF用のケーブルストリッパー使えないじゃないですか!
野田さん
全部黒いケーブル!なんですか、このケーブル?
三輪さん
CVVという制御用のケーブルだね。もちろん、VVF用のケーブルストリッパーは使えない。だから、ケーブルの外装剥ぎ取り、被覆むきはナイフを使うことになる。
高坂さん
ナイフかあ…。
三輪さん
野田さん
さらに、電線がIVのような単線じゃなくて、より線なんだ。だから柔らかくて絶縁被覆がむきにくい。
高坂さん
そうなると、ナイフの使い方もきちんと練習しないとですね…。
三輪さん
ケーブルストリッパーに頼りっぱなしってわけにもいかないんだな…。
野田さん
そうだね。ナイフも怪我に気を付けながら使う練習をしておこう。

さらに複線化も第二種のような単線図もあれば、高圧受電設備や動力回路の制御線もある。このへんも押さえておかないといけない。
例えば、電磁開閉器を使ったモーターの制御回路。こんな感じだよ。
高坂さん
お〜…難しそう!
野田さん
ちゃんとできますかね〜…。
三輪さん
うん、ここらへんはそれぞれしっかり教えるよ。第二種との違いがはっきりでるところだからね。
高坂さん
お願いします!
野田さん
私もがんばってついていきます!
三輪さん
練習方法は第二種と同じかな…。
材料を準備、複線化して、作業開始。作品が完成したら欠陥がないかを調べてそれから解体。この一連の流れを各課題ごとに繰り返す。それぞれの課題を2回はやってほしいな。
高坂さん

怪我に注意して安全に練習しよう!

何度も言うけど、怪我には十分注意してね。特にナイフはどうしても使わなきゃならない作業が増えるから、ナイフの使い方の基本はしっかりと身に着けること。…もう大丈夫だよね?
高坂さん
はい!自分の体や他の人がいる方向に向けて動かさない!
野田さん
勢いよく動かさないようにする!
三輪さん
そうだね、ナイフの作業量が多くなって時間が無くなると焦って基本を無視した無理なことをしてしまう。こういったときに事故は起きやすいんだ。そうならないためにも、最初は時間を考えないで正確で確実な作業。安全に作業できるようになってから時間を測るというやり方をしよう。
高坂さん
わかりました、気を付けて作業します!
三輪さん
野田さん
それと万が一怪我をした時に備えて、タオルや救急箱を用意しておくから。

それでも、これを使わなくて済むように安全に作業することを第一に心がけてね。
高坂さん