第一種電気工事士取得が大切なわけ
でもなんで、先輩は学生時代に第一種電気工事士取ろうと思ったんですか?
え?いや、先生に受けないかって言われたからさ。
そんな軽いノリで合格するなんてすごいですね!
まあ、大したことないよ。実際に仕事に役立ってるし。
自分もこの前言われたように、この勢いで受けてみたいって思ってるんですけど、実際に仕事でどう役立ってるんですか?
うちの会社の仕事だと、一般用電気工作物の工事は少ないでしょ。それだと、やはり第二種電気工事士だけだとかなり苦しいんだよ。第一種電工の資格は必須って感じだね…。
え!?第二種電気工事士の資格ではかなり苦しいんですか?
あ…余計なことを言ったかな。
そうですね、自家用電気工作物は皆さん覚えていますか。
ええと、なんか大きな電気工作物ですよね。
一般用電気工作物等以外は、事業用電気工作物。その中で「電気事業の用に供する電気工作物」以外のものが自家用電気工作物ですよね。
すご…普通そんなにすらすら出てこないよ!?
まあ、野田くんの言う大きな電気工作物でも今は構いませんが…。高圧受電をする電気工作物がだいたい該当しますね。第一種電気工事士は、このうち500kW未満の電気工作物の工事ができます。ただし、ネオン用の設備及び非常用予備発電装置の電気工事を除きますが。
こう見ると第二種電気工事士だけというのは、まだまだなんですね。
まあ、第一種電気工事士は実務経験が無いと取得できないし、最初は「第二種電気工事士」とあとこの前言った「認定電気工事従事者」で仕事をすればいいと思うよ。
でも、早く第一種電気工事士の資格が欲しいなー。
第一種電気工事士資格取得で広がる仕事の幅
あとは、第一種電気工事士をきっかけにして仕事の幅も広がるんですね。例えば、うちの会社では「施工管理」の仕事もしています。そういった場合に必要な資格ってわかりますか?
そういえば、施工管理をする部署があるのは知ってますけど、その資格までは…。
電気工事施工管理技士だよ。1級と2級があるんだけど、できるなら1級が欲しいな。
その1級電気工事施工管理技士の受験資格はいろいろあるんですが、そのうちの一つが第一種電気工事士でして、取得していればすぐに試験が受けられます。
電気工事の世界って、第二種電気工事士、第一種電気工事士以外にもいろんな資格があるんですね。第一種電気工事士ですら受験資格の一つだなんて。奥が深いなぁ…。
ちなみに施工管理って仕事、どんな仕事かわかりますか?
施工…を管理する?
そうですね。「現場代理人」とも呼ばれる仕事で、社長の代理として工事の品質、工事の工程管理、安全管理、予算管理などを行うスペシャリストのことを言います。第一種電気工事士を取得しておくと、こういった仕事へも発展させていくことができるんです。
「高圧受電設備」への深い知識が求められる
でも、第一種電気工事士って施工管理の仕事とは違うんですか?
第一種電気工事士は施工管理の仕事じゃなくって、あくまでも工事の仕事の資格。やることは違うんだ。
大きな現場では、工事を管理する人と工事を実行する人とがそれぞれ役割分担をします。そうやってスムーズに工事が進行していくんですね。第一種電気工事士は「工事を実行する人」の代表的な資格となります。
第一種電気工事士と第二種電気工事士とでは、現場でもとめられることって違いがあるんですか?
第一種電気工事士は、自家用電気工作物も工事できる工事士ということで、特に高圧受電設備の知識が求められるかな。
こ、高圧…!
…受電設備!
そ、そんなに驚かなくても…。自家用電気工作物はたいてい高圧受電設備があるから、そこら辺の知識が求められるんだよ。
実際に第一種電気工事士の試験では、高圧受電設備が関係する問題が、学科試験、技能試験双方に出題されます。ですので、そのあたりはきちんと知る必要がありますね。
そんな難しいことが出る試験なんすか…!?そんな資格、自分に果たして取れるんでしょうか…。
(…早く第一種電気工事士の資格が欲しいって言ってたはずでは…?)
いや、勉強すれば取れるでしょ。普通に。
だったら教えてくださいよぉ!!
な、泣いてる…!?わ、わかったわかった教えるから…。
よし!先輩の上手な教え方で合格できるぞ!上手な教え方で!
切り替えはや…まああんまり期待され過ぎるのも困るんだけど…。
いや、悪いですが高坂くん、二人の面倒を見てあげてくださいね。
(………何か二人に巻き込まれた!)