圧着工具はどんなのがいいの?
三輪さん、三輪さん。
これ先輩から借りたんだけど、すごいちっさな圧着工具。
これなら持ち運びしやすいし、三輪さんにもあってると思うんだよね。
これ先輩から借りたんだけど、すごいちっさな圧着工具。
これなら持ち運びしやすいし、三輪さんにもあってると思うんだよね。
えー、自分用のもうあるし〜…。
だって大きい方が作業しにくいと思うよ。その点、この小さい圧着工具は扱いが楽そう。そうですよね、流川さん。
大の刻印部分を省略して柄が短くなったものですか。
確かに小さいんですが…。
確かに小さいんですが…。
…ですが?
私は、三輪さんにはその圧着工具をお勧めしません。
えっなんで!?
圧着工具は特に握力が必要な工具です。三輪さんも練習していてそう感じられませんでしたか。
心線が4本とか入ると、本当に両手でもなかなか圧着接続ができませんでした。
そうだったのか…。
握力がそれほどない方、女性の方には多いと思いますが、そういった方は柄の長い圧着工具をお勧めします。
これは、てこの原理で、柄の端の方を持てば、握力がそれほどでなくても圧着接続をしやすいんです。小さな圧着工具ですと、それをするだけの柄の長さが十分にないのです。
もちろん野田さんのように、ある程度握力があれば、こういった小さな圧着工具でも良いでしょうし、持ち運びやすさにメリットを感じられるかもしれません。
もちろん野田さんのように、ある程度握力があれば、こういった小さな圧着工具でも良いでしょうし、持ち運びやすさにメリットを感じられるかもしれません。
小さいからって、扱いやすいわけじゃないんだ。
でも何度も繰り返すうちに長い柄の圧着工具の使い方も慣れてきました。
そうですね。まず、工具は見た目だけではなく、実際の扱いやすさを見てみると良いでしょう。
スケールが良いの?定規が良いの?
第二種電気工事士の工具セットの中に、布でできたスケールがあったんですが、これでもいいんですか?
一応、大丈夫ですよ。
でも、私たちは金属製のスケールを使っていますよね。
そうですね、それぞれメリット、デメリットがありますね。ちょっと解説しましょう。
まず、布スケールは安いというのがあります。多分そのセットは他のセットに比べて安かったのではないですか?
あ!確かに、少し安かったような。
では、安くて便利なら実際の現場でも使われていますね。でも現場で布スケールを見たことがありますか?
確かに見たことありませんね。
そもそも腰道具に入れられないよね。使いにくそうだし。
そうなんです。あれはあくまで試験に特化したもので、現場で使われることはありません。
ですので、電気工事用の工具と見てよいかどうかはかなり難しいですね。
ですので、電気工事用の工具と見てよいかどうかはかなり難しいですね。
やっぱり、きちんとしたスケールの方がいいんですか?
布スケールの場合はまっすぐにするには、下面に置くか、両側をしっかり持つかしなければなりませんが、金属製のスケールは片手で計測できます。それだけで作業速度があがりますね。
さらに折りたたんだりせずに、自動的に巻き取りますから収納も一発ですみます。
また、皆さんのお使いのスケールはストッパがついていますので、ある程度の長さで固定もできるんです。これは現場で使っているスケールと全く同じ機能なんですね。
さらに折りたたんだりせずに、自動的に巻き取りますから収納も一発ですみます。
また、皆さんのお使いのスケールはストッパがついていますので、ある程度の長さで固定もできるんです。これは現場で使っているスケールと全く同じ機能なんですね。
やっぱり、スケールも試験だけにしか使えないものより、プロも使っているほうがいいですね。
それにビッグなスケールの自分にとっても、スケールはすごく大事だよ!
(「ビッグ」「スペシャル」「スケール」だけで野田くんって表せそう)
…(永ちゃん?)
ケーブルストリッパーはどんなものが良いの?
また、先輩から借りてきちゃった!これぞプロ仕様のケーブルストリッパー!
よーし、これで試験本番を乗り切るぞー!
よーし、これで試験本番を乗り切るぞー!
(先輩と仲良いな…仲良い…のかな…?)
これはどうなんですか?流川さん。
これはどうなんですか?流川さん。
なかなかいい工具ですね。まさにプロの電気工事士が使う道具です。いいと思いますよ。
このケーブルストリッパーは現場でよく使われるんです。
大きくてかさばるような気がするけれど…。
このケーブルストリッパーならではの便利さがあるからです。
例えば、ジョイントボックスってたいていどこにあると思いますか?
例えば、ジョイントボックスってたいていどこにあると思いますか?
ええ…と…。
天井裏です!
(先越された…)
そうですね、天井裏でのジョイントボックスの作業では、あまり大きな動作はできないんです。他の配管にぶつかったり、あるいは活線つまり電気が流れている線に触れる可能性もある。
このため、ただ握るだけで外装はぎとりも、被覆むきもできる、このタイプのケーブルストリッパーは重宝します。
このため、ただ握るだけで外装はぎとりも、被覆むきもできる、このタイプのケーブルストリッパーは重宝します。
なるほど、そういう場所では使いやすいんだ。
それだけでなく、例えば分電盤作業などでは、大量の外装はぎとり、被覆むきが発生します。また新築の集合住宅のジョイントボックスの作業もそれこそ何部屋、何十カ所とそのような作業をするわけです。
このような大量に作業をする場合の省力化工具として、このケーブルストリッパーは役に立ちます。たとえそれが2台であっても、それくらいなら持ち運べますので、あまり問題にならないのです。
このような大量に作業をする場合の省力化工具として、このケーブルストリッパーは役に立ちます。たとえそれが2台であっても、それくらいなら持ち運べますので、あまり問題にならないのです。
本当にプロが現場で使いやすくできているんですね。
逆に技能試験の単位作業は条件がかなり変わってきます。
まず天井裏のような狭い場所ではなく、机上で座っての作業です。ある程度横に動かす余裕もあり、また外装はぎ取りや被覆むきの量もたかが知れています。
まず天井裏のような狭い場所ではなく、机上で座っての作業です。ある程度横に動かす余裕もあり、また外装はぎ取りや被覆むきの量もたかが知れています。
た、たかが知れている!?
あんなに大量にむいたと思ったのに〜!?
そうなんです、プロが作業する作業量と比べると、そこまでではないんです。
そうすると、薄くて試験会場にも持ち運びしやすいこのタイプのケーブルストリッパーのメリットが生きてきます。
そうすると、薄くて試験会場にも持ち運びしやすいこのタイプのケーブルストリッパーのメリットが生きてきます。
工具セットの袋の中にもピッタリ収納できます。
な、なるほど。
それにこのケーブルストリッパーは試験に特化しているだけあって、先端部分でランプレセプタクルや露出コンセントに接続する輪づくりをしたりできます。
また携帯しやすいということで、プロの方も携行されていることも多いんですよ。
そうやって現場では使い分けているんですね。
そしたら、これは試験には持っていかないで、試験に受かってから現場で使おうっと!
先輩に返さないの…?
(…先輩との関係は大丈夫でしょうか…?)