●独立して働く人はいるのだけれど・・・
                    ちょっと思ったんですけど、現場で働いている電気工事士から電気工事会社の社長になるってことはあるんですか?	                   
                
                    あ、ちょっと気になるかも。                  
                
                    そうですね、電気工事会社の社長と言っても、たくさんの電気工事士がいる大きな会社の社長から、ほとんど家族や一人でされている会社(個人事業主)までいろいろありますから、それぞれ異なりますね。                  
                
                    一人で独立して電気工事士として仕事を行うってこともあるんですか?                  
                
                    これはよくありますね。いわゆる一人親方というもので、電気工事会社で働いていた人が独立して、他の電気工事会社などから仕事を請けるというスタイルです。                  
                
                    電気工事会社から仕事を請けるんですか!?                  
                
                    そうですね、そういった一人親方の中には規模が大きくなって会社になるところもありますね。その一人親方は社長となります。                  
                
                    へ〜、一人親方から社長になるってこともあるのか。                  
                
                    電気工事士もいろいろあるんですね。                  
                
                    ただし、注意が必要でして・・・。一見独立して一人親方であるかのようでも、実質的に請けている電気工事会社の社員のような働き方をさせられる場合があります。これを「偽装一人親方」と呼びます。社員と同じ働き方をしていても社会保険や労災保険に加入していない状態になり、極めて不安定な立場に置かれてしまうのです。                  
                
                    うわ〜!それは怖い!                  
                
                    どうしたらそれは防げるんですか?                  
                
                    まず、前提ですが、そもそも独立するというのはいろいろな責任を自分で負うことになるということを知っておく必要があります。経験年数が3年未満で一人親方として働けるか、と言ったら大きな疑問がありますね。自身の経験や知識、技能が十分にないと独立することは難しいでしょう。
そのうえで仮に独立する際も、それが一人親方として適正なものかをよく確認しておく必要があります。
                そのうえで仮に独立する際も、それが一人親方として適正なものかをよく確認しておく必要があります。

                    確認ってどうやるんですか?                  
                
                    国土交通省は一人親方のための働き方自己診断チェックリストを作っています。こういったものを見て、偽装一人親方ではないことをきちんと確認することができますね。                  
                
 
                  
                  
                                      
                    一人親方は仕事の進め方も自分の判断、工事の完成責任は自己責任って、本当のプロでないと難しいですね。                  
                
                    一人親方になるのもそんなに簡単ではないんですね。                  
                
●社長を引き継ぐ事業承継
                    ほかにも社長になる方法ってあるんですか?                  
                
                    今、働いている会社などの社長が引退する際に事業を引き継ぐという形で社長になることもあります。これを「事業(じぎょう)承継(しょうけい)」と言います。小さな会社ですと社長の親族が引き継ぐことが多いですが、親族の中に担い手がいない場合、その会社の社員に社長になれないかを打診されることもありますね。                  
                
                    君に任せた!ってバトンを渡される感じですね。                  
                
 
                    
                    そうですね。今、電気工事業を含めた日本の中小企業の経営者の高年齢化が進んでいて、なかなか後進に事業を引き継ぐことができないと悩む方もいらっしゃいます。そういったなかで、「電気工事会社の経営もやってみたい」という人がいると業界は活性化すると思いますよ。                  
                
                    う〜ん、経営ってすごく難しいイメージがあります・・・。                  
                
                    確かに簡単なものではないですね。会社の状況の把握や経営に関する知識が必要になってきます。それで現経営者から次の経営者にバトンを渡すときは、ある程度時間がかかると思います。                  
                
                    そうか、社長になるってことは、それだけ大きな責任を持つことだから、それ相応のものがもとめられるんですね。                  
                
●まずは電気工事のプロになろう
                    もちろん皆さんがすべて電気工事の社長にならなければならないわけでも、なれるわけでもありません。
ですが、そういったチャンスがあったときに対応できるよう備えることは今からでもできますよ。
                ですが、そういったチャンスがあったときに対応できるよう備えることは今からでもできますよ。

                    備えるってどうしたら?                  
                
                    電気工事の仕事に精通することですね。例えば、自分で独立して電気工事会社を立ち上げるときにも役立ちますし、もちろん事業を引き継いで社長になる時も十分に役立ちます。                  
                
                    たしかに会社の仕事をよく知っておくことは大事!                  
                
                    社長にならなくても、私たちは電気工事のプロですから、当然のことですね。                  
                
                    十分な実績と信頼、責任を負うだけの能力があると周囲が思うようになれば、経営者として活躍する道も開けるかもしれません。電気工事士にはそういったチャンスもありますので、電気工事のプロとして皆さん活躍してほしいです。期待していますよ!                  
                
 
       
      