最初に取るべき資格ってなに?
私、英検3級を持っているんですけれど、電気工事士にも「電気工事士1級」とかあるんですか?
ミワっち、英語の資格持ってんの!?すげー!
じゃあ自分は電気工事士十段になる!
じゃあ自分は電気工事士十段になる!
…ミワっち?
(この呼び方は早かったか…)
…電気工事士には、何級とか何段とかないんですよ。電気工事士は、「第二種電気工事士」と「第一種電気工事士」が主にありますね。
え!電気工事士十段ってないの?
じゃあ自分は何を取れば…。
じゃあ自分は何を取れば…。
柔道じゃあるまいし。
皆さんがまず取ってほしいのは「第二種電気工事士」ですね。電気工事士の登竜門的な資格です。
第二種電気工事士!?
第二種電気工事士は、まず受験資格がなく、誰でも受験でき、そして試験の内容も他の電気系の資格と比較して、一番やさしいものです。なおかつ、試験に合格して申請すれば、すぐに免許をもらえます!
第二種電気工事士ってやさしいの?
他の資格って取るのが難しいんですか?
比較のために、第一種電気工事士と比べてみましょう。
第一種電気工事士は、一応誰でも受験できますが、資格を取得するには3年の実務経験が要求されます。
第一種電気工事士は、一応誰でも受験できますが、資格を取得するには3年の実務経験が要求されます。
3年…、高校を卒業しちゃうよ。
中学もね。
なおかつ、試験の内容も高圧回路や制御回路を含む、かなり難しいものです。初心者にとってかなり難易度の高い試験でしょう。 第二種電気工事士はそこまで難しくありません。
難しい試験はやだ―!簡単なのがいい!
このように、第二種電気工事士は皆さんのような初心者にも取得しやすい資格なんです。それだけではありません。皆さんの仕事でできることも確実に増えます。
どんな仕事ができるの?
これで電気工事の仕事がいろいろできますね。
この事務所の電気工事もできるぞ!
…残念ですが、この事務所はできないんです。
え!なんでですか!
この事務所の入っている建物の電気設備は「自家用電気工作物」といって6600Vの電気が供給されているものなんです。
第二種電気工事士ができる範囲は「一般用電気工作物等」、100Vや200Vなど低い電圧で建物に電気が供給されている場所の電気工事だけなんです。
第二種電気工事士ができる範囲は「一般用電気工作物等」、100Vや200Vなど低い電圧で建物に電気が供給されている場所の電気工事だけなんです。
この建物の電気工事ができないというとどんな建物ならできるんですか?
一般の住宅や小さな店舗や小さな工場などの電気工事ですね。
仕事の範囲を広げる方法
えー・・・大きなビルの電気工事ができないなんて「第二種電気工事士」って結局は役立たずじゃないですか~…?
ところがです、ちゃんと第二種電気工事士を取得後に、この事務所のような場所でも電気工事ができる方法があるんです。
え!?できるんですか!?
裏技的な…?
法に触れます?
触れません。
第二種電気工事士を取得して、特定の講習を受けると「認定電気工事従事者」という資格がもらえます。この資格は、この建物の電気設備のような「自家用電気工作物」の低圧部分…つまりこの事務所のコンセントや照明やスイッチなどの工事ができる資格です。
第二種電気工事士を取得して、特定の講習を受けると「認定電気工事従事者」という資格がもらえます。この資格は、この建物の電気設備のような「自家用電気工作物」の低圧部分…つまりこの事務所のコンセントや照明やスイッチなどの工事ができる資格です。
つまり、第二種電気工事士を取得して、講習を受講して「認定電気工事従事者」を取得すると、この事務所を含んだ、いろいろな電気工事ができるようになるんです。
でも、なんで第二種電気工事士を取得しただけで、最初からいろんな工事ができるようにしないんですか?
…まあ、これは歴史的経緯があって。
電気工事士ができた当初は、現在の「第二種電気工事士」に相当するものが、何にもついていない「電気工事士」という資格だったんです。ほかに現在の「第一種電気工事士」に相当する「高圧電気工事技術者」という資格もありましたが、国家資格ではありませんでした。
電気工事士ができた当初は、現在の「第二種電気工事士」に相当するものが、何にもついていない「電気工事士」という資格だったんです。ほかに現在の「第一種電気工事士」に相当する「高圧電気工事技術者」という資格もありましたが、国家資格ではありませんでした。
電気工事士制度ができた当時は、今ほど建物は大きくなく、小さな建物の電気工事が多かった時代に作られた資格制度だったので、このようになったのですね。
ところが、日本が高度成⾧期を迎えると建物の大きさはどんどん大きくなり、電気工事の内容も旧制度の「電気工事士」の範囲を超えるようになりました。
ところが、日本が高度成⾧期を迎えると建物の大きさはどんどん大きくなり、電気工事の内容も旧制度の「電気工事士」の範囲を超えるようになりました。
そこで、大きな電気設備(自家用電気工作物)には第一種電気工事士、小さな電気設備(一般用電気工作物等)には第二種電気工事士と資格区分が新設・整理されたんです。
そして、第一種電気工事士しかできない工事範囲でも一定の技術があれば工事ができるよう、「認定電気工事従事者」という資格も新設されて現在に至ります。
そして、第一種電気工事士しかできない工事範囲でも一定の技術があれば工事ができるよう、「認定電気工事従事者」という資格も新設されて現在に至ります。
電気工事が発展していって現在の「第二種電気工事士」があるってことなんですね。
そうか!自分がビッグな電気工事士になるための通るべき道ってわけなんすね!
ははは、そうですね。
第二種電気工事士は、電気工事士になるための大きな一歩です。ぜひ皆さんにも早めに取得していただきたいですね。
よろしくお願いしますよ!
第二種電気工事士は、電気工事士になるための大きな一歩です。ぜひ皆さんにも早めに取得していただきたいですね。
よろしくお願いしますよ!
はい、がんばります!
任せてください!
- ポイント
- 第二種電気工事士は試験内容も初心者に優しく、免許も合格後申請ですぐにもらえる。
ただし、それ単体では、住宅や小さな店舗・工場などの電気工事士しかできない。
「認定電気工事従事者」を受講することによって、さまざまな場所での電気工事が可能になる。